腸からでるホルモンが血糖値や体重を低下させる。動脈硬化にも良い効果。

糖尿病注射のお薬「GLP-1受容体作動薬」 -  -  -
糖尿病注射のお薬「GLP-1受容体作動薬」
西宮北口 西宮ガーデンズにある内科・糖尿病内科・代謝内科・循環器内科のいわもと内科クリニックです。

前3回は、西宮に関連する文学のご紹介をいたしましたが、今日はダイエット効果も期待できるGLP-1(ジーエルピーワン)という小腸から分泌されているホルモンの話です。
GLP-1は、みなさんが食事をすると小腸の細胞から分泌され、すい臓に働き必要な量のインスリン分泌を促し、血糖値が上がらないように調節しているホルモンです。現在は、注射のお薬として糖尿病治療に使用されています。一般名は、「GLP-1受容体作動薬」です。このお薬は、すい臓に効くだけでなく、脳の摂食中枢にも働き「食欲を抑える効果」や胃の蠕動運動を抑え「すぐにお腹がいっぱいになる」といった効果も認められています。
このような効果があることから、海外では肥満治療薬として「GLP-1受容体作動薬」は使用されています。2018年12月現在、日本では5種類の「GLP-1受容体作動薬」の使用が可能です。しかし日本ではいずれも2型糖尿病の治療薬としてしか適応症はなく、肥満単独の治療では、このお薬は使用できない状況です。
ダイエットできるお薬が他にあればいいのですが、残念ながら、おおくの方が期待するほどの効果が認められる薬剤は、ありません。やはり、食事と運動がダイエット基本です。

また、「GLP-1受容体作動薬」の一部は、心筋梗塞や脳梗塞の発症、死亡を抑制する効果が認められています。糖尿病患者さんで、動脈硬化のリスクが高い方には、とても良いお薬の一つと考えられます。また最近では、注射デバイスも改良され、針も見えないし、ボタンを押すだけで注射できるタイプや、週一回のタイプ、中にはGOODデザイン賞金賞まで受賞したお薬まで存在しています。注射剤といえど、インスリンとは異なるお薬です。

「GLP-1受容体作動薬」をまとめると、以下のようになります。
1 太りにくい。痩せる効果が認められる。
2 食欲が抑えられる。
3 インスリンと異なる糖尿病のお薬。飲み薬に比べると、血糖降下作用も大きい。
4 動脈硬化で生じる心筋梗塞・脳梗塞の発症を抑制してくれる。
5 注射方法も簡単で週1回、秀逸な注射デバイスも存在。

院長は、「GLP-1受容体作動薬」を自ら開発した経験をもち、このお薬の特徴を良くしっていますので、気軽にご相談ください。

いわもと内科クリニック
院長
岩本紀之