西宮文学に触れる 第三弾 「ランゲルハンス島の午後」 村上春樹 

ランゲルハンス島は糖尿病と密接な関係 -  -  -
ランゲルハンス島は糖尿病と密接な関係
西宮北口 西宮ガーデンズにある内科・糖尿病内科・代謝内科・循環器内科のいわもと内科クリニックです。

本日は、西宮に住んでおられた超有名作家 村上春樹さんの「ランゲルハンス島の午後」をご紹介します。
ところで、ランゲルハンス島ってご存知でしょうか?
糖尿病治療には欠かすことのできない「インスリン」というホルモンを分泌する細胞が集まっている場所で、みなさんの「すい臓」に存在します。ランゲルハンス島にあるインスリンを分泌する細胞がダメージをうけると糖尿病になってきます。

さて、この「ランゲルハンス島の午後」は村上春樹さんのエッセイ集の1つ。夙川近くに住んでいた中学時代の回想録。夙川の情景が描かれた、たった見開き2ページの文章です。

僕の家と学校の間には、川が一本流れている。それほど深くない、水の綺麗な川で、そこに趣のある古い石の橋がかかっている(夙川と葭原橋)
橋のまん中に立ち、手すりにもたれて南の方に目をこらすと、海がきらきらと光を反射させているのが見える。
「ぽかぽかとした」という形容がぴったりする、まるで心がゆるんで溶けてしまいそうなくらい気持ちの良い春の午後で、あたりを見まわすと、何もかもが地表から二、三センチぽっかりと浮かびあがっているみたいに見えた。
あの神秘的なランゲルハンス島から春の匂いがした。
1961年の春の温かい闇の中で、僕はそっと手をのばしてランゲルハンス島の岸辺に触れた。

走りすぎて疲れた時は、休むことが必要ですね。こころの余裕が、人生を豊かにしてくれるように思います。
頑張りすぎないように、時には息抜きが必要ってことを教えてくれる「ランゲルハンス島の午後」でした。

いわもと内科クリニック
院長
岩本 紀之