2019年 米国糖尿病学会(ADA)速報 糖尿病治療薬デュラグルチドが心血管イベントを有意に抑制 循環器疾患の予防に効果

アンテロープキャニオン(アメリカ合衆国アリゾナ州) - 昔アメリカに住んでいたころに訪れたアンテロープキャニオン。砂岩が雨で浸食されてできた幻想的なスポットです。岩がくねくねしてますので、私の体もくねくねして写真を撮ってます。 -  -
アンテロープキャニオン(アメリカ合衆国アリゾナ州)
昔アメリカに住んでいたころに訪れたアンテロープキャニオン。砂岩が雨で浸食されてできた幻想的なスポットです。岩がくねくねしてますので、私の体もくねくねして写真を撮ってます。
こんにちは。西宮北口 阪急西宮ガーデンズにある糖尿病内科・循環器内科・総合内科・代謝内科・生活習慣病・健康診断のいわもと内科クリニック 院長 岩本です。

GLP-1受容体作動薬であるデュラグルチド(トルリシティ)が、プラセボ投与群に比べて主要心血管イベント(MACE:心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)の発症を有意に抑制(12%)することが、サンフランシスコで開催された米国糖尿病学会で発表されました。この試験(REWIND)の特徴は、狭心症・心筋梗塞などの既往歴がない患者が約7割含まれており、一次予防においても効果が認められる可能性が示唆される点が注目です。一次予防とは、狭心症や心筋梗塞などの循環器疾患をもたない患者さんの予防に有効であることで、これらの疾患を生涯において一度も発症させないことは、患者さんの生活の質を落とさないためにも、ピンピンコロリを実現するためにも、大変重要なことです。
しかしながら、今回発表されたトルリシティの投与量は海外で使用されている用量(日本の倍)での結果なので、日本人で使用されている用量で、同じ結果が得られるかはさらなる検討が必要です。

さらに副次評価項目に関しても、腎症関連イベントがデュラグルチド群で有意に減少(15%)していました。一方で、眼の合併症である網膜症関連では、有意差はないものの増加傾向でした。この現象は、同じGLP-1受容体作動薬であるセマグルチドの臨床試験(SUSTAIN-6)でも認められており、GLP-1受容体作動薬使用時には、網膜症の発症進展に注意する必要があるかもしれません。

コレステロール低下剤であるスタチン以来、経口糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬、そして糖尿病注射治療薬であるGLP-1受容体作動薬と、心血管イベントを抑制できる治療薬が増えてきました。ピンピンコロリ実現には、とても良い結果ですね。

いわもと内科クリニック 糖尿病内科・循環器内科・代謝内科・内科
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